Jay Leonhart
Jimmy Blanton
Jimmy Garrison

John Clayton
John Patitucci
Larry Grenadier
Lonnie Plaxico



Jay Leonhart

 

日本での知名度はあまりないが、ベーシスト兼、ヴォーカル兼、作詞作曲家として活躍。音楽一家に産まれ、幼いころから音楽に親しむ。バークリー音楽院卒業後、NYで活動し、様々なミュージシャンと共演。主な共演者はカーリー・シモン, バッキー・ピッザレリ、スティング、フランク・シナトラ、ジュディ・ガーランド、デューク・エリントン、タッド・ジョーンズ、バディ・リッチ、ジム・ホール、ペギー・リー、メル・トーメ、ケニー・バロン、スティング、ジェイムス・テイラー、エディ・ヒギンズなど多数。自身も歌いながら演奏することもある。

 

プレイスタイルは、レイ・ブラウン系の正統派スタイル。音色もベースの生音を基調としたしっかりとした音。ソロの歌い方が秀逸。ジャズフレーズとメロディとして歌う部分のバランスが素晴らしい。ソロ自体に起承転結もあり、歌心もあるので必聴。

 


Jimmy Blanton

 

フレーズ難易度:

 

デューク・エリントン楽団で一番有名なベーシストと言えば、この方。1930年代まではベースはデキシースタイルで2ビート主体だったため、演奏も単調なものが多かった。しかし、彼の出現によって、これまでとは異なる、自由な4ビートライン、メロディアスなソロを取り入れ、ベース界に革新をもたらした。レイ・ブラウンをはじめ、その後の多くのベーシストに影響を与える。23歳の若さでこの世を去った天才。

 

プレイスタイルは、タイトかつピッチの良さが目立つ。録音の関係もあるだろうが音価は短め。この時代では考えられないほど、自由なラインで演奏する。ソロは歌心があるホーンライクなフレージングが多い。アルコも上手い。エリントン楽団にいた時代が20~22歳であるため、当時の演奏技術の高さがうかがえる。

 

譜面は、この曲のメインのフレージング。このままソロにも使えるくらい完成されているフレーズ。ピアノとの対比も良い。基本的なコンセプトはスケール中心。2小節目はD7一発でも使えるフレーズ。速いのでなかなか難しい


Jimmy Garrison

 

ジョン・コルトレーンのアルバムの中で日本で一番売れているアルバム「Ballads」のベーシストと言えばこの方。ハイスクール時代にクラリネットからベースへ転向。卒業後、フィアデルフィア周辺で演奏活動を行なう。その後、ニューヨークで、ベーシストとして活動を始め、ビル・エヴァンス、ケニー・ドーハム、レニー・トリスターノ、オーネット・コールマンらと共演。62年にレジー・ワークマンの後任としてジョン・コルトレーンのグループに参加。長くインプロビゼーションを行うことでも有名。息子はベーシストで、マシュー・ギャリソン。

 

太くてしっかりした音色。ギターのようなコード弾きも行う。ビート感はジャストより少し前の位置。フリースタイルのソロは独自の世界観があり、とてもかっこいい。ベーシストらしいプレイも出来るし、フリーも出来る音楽性の高さを持つ。


John Clayton

 

レイ・ブラウンに師事。70年代半ばから本格的な活動を始め、カウント・ベイシー・オーケストラ、モンティ・アレキサンダー・トリオなどに在籍。その後、ジェフ・クレイトンとクレイトン・ブラザーズを結成し、グラミー賞にノミネートされる。アレンジャーとしてもホイットニー・ヒューストン、ナタリー・コール、クイーン・ラティファらの音作りに貢献している。共演者も多く、ミルト・ジャクソン、クラーク・テリー、クインシー・ジョーンズ、ナンシー・ウィルソン、ジョージ・ベンソン、ナタリー・コール、ディー・ディー・ブリッジウォーター、マッコイ・タイナー、ダイアナ・クラールなど豪華。息子はジェラルド・クレイトン

 

クラシックのオーケストラで主席コントラバス奏者だったため、弓が非常に素晴らしい。レイ・ブラウン系スタイルだが、ビート感や音色も、もう少しマイルドな感じ。比較的早いフレーズは弾かず、バッキングに徹するスタイル。雰囲気重視。

 


John Patitucci

 

フレーズ難易度:

 

20代でチックコリアのバンドに起用されたことにより、一躍有名に。プレイスタイルはジャズからフュージョン、ロック、ブルース、ラテン、クラッシックまで幅広い。エレキベース、コントラバスの両方を操る。共演者も幅広く、B.B.キング、ジョージ・ベンソン、デイブ・ウェックル、ブライアン・ブレイド、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカー、ゲイリー・バートン、スティーヴ・カーン、マイク・スターン、ジョン・スコフィールド、アル・ディ・メオラ、スタン・ゲッツ、ハンク・ジョーンズ、ドン・フリードマン、スティング、ナタリー・コール、ミルトン・ナシメント、イヴァン・リンスなど

 

プレイスタイルはとにかく正確。 さらにピッチ(音程)の良さに加え、早いフレーズも簡単に弾きこなす。弓弾きも素晴らしい。アドリブソロは、エレキベースとウッドベースでは若干フレージングが異なるが、どちらも歌心があり、ホーンプレイヤーのようなソロを取る。どちらかというと派手なプレイやフレージングに目がいくが、堅実なビバップのフレージングもでき、歌い方は秀逸。

 

譜面は、Fブルースの曲から(音源がなくてすみません)Gm7ーC7のⅡ-Ⅴフレーズから。基本に忠実なフレージング。スケールライクなフレージングからオルタードフレーズにつなぐフレーズ。超重要!


Larry Grenadier

 

フレーズ難易度:

 

白人ベーシストの中で特に個性あるプレイで有名。カート・ローゼンウィンケル、ジョシュア・レッドマン、マーク・ターナーらと共演を重ね、マイク・スターンやクリス・ポッターのサポートなどを経て、ブラッド・メルドーのレギュラーベーシストとして有名になる。他にもパット・メセニーのアコースティックトリオでも活躍。 主にジャズが多いが、変拍子などにも対応。

 

プレイスタイルは比較的オーソドックス。ソロの歌いまわしが独特。メロディ的な歌いまわしではなく、リフのようなモチーフで展開していくスタイル。ベーシストらしいラインだが、そこに独特の個性が合わさってグラナディア流ソロになる。
譜面は、ソロの途中部分のフレーズ。同じ音型でフレージングしているが、段々ポジションが上がることで高揚感のあるソロになっている。

Lonnie Plaxico

 

ウッドとエレキの両刀プレイヤー。12歳からベースを学び1980年にニューヨークへ移りチェット・ベイカーやデクスター・ゴードンらと共演。その後、ウィントン・マルサリス、アート・ブレイキーのバンドで活躍。共演者はジャック・デ・ジョネット、デクスター・ゴードン、スライド・ハンプトン&ジェリー・オーウェンス、ジェイミー・オーウェンス、バリー・ハリス、アントニオ・ハート、ジョン・ヒックス、シンディ・ローパー、ジュニア・マンス、ブランフォード・マルサリス、ウィントン・マルサリス、ジョー・サンプル&ジャズ・クルーセイダー、ウッディ・ショウ、ソニー・スティット、クラーク・テリー、マルグルー・ミラー、カサンドラ・ウィルソン等。ジャズだけにとどまらず、ファンク等の複数の要素を合わせた独特の音楽性を持つ。自身のバンドの曲が非常にかっこいい。

 

プレイスタイルは非常にタイト。ウッドベースだけではなく、エレキベース、アップライトも弾く。ソロは歌うフレーズは少なめ。スライドを使ったり独特なアプローチは多い。音色は太め。いい意味でベーシストらしいプレイができる。ベーシストというより、ミュージシャンとしての総合力の高さが持ち味。