Avishai Cohen
Ben Williams
Bill Crow
Brian Bromberg
Buster Williams
Cecil McBee
Charles Mingus
Charlie Haden
Chris Minh Doky
Christian McBride
Dave Holland
Doug Watkins


Avishai Cohen

 

フレーズ難易度:

 

イスラエル出身。9歳からピアノを始め、Jaco Pastoriusの影響で14歳からベースを始める。その後、NYに移住。ダニーロ・ペレスのバンドを経験後、チック・コリアのバンドに加入し一躍有名に。自身のレーベルを立ち上げ、自身のバンドで活動。共演者は他にも、ボビー・マクファーリン 、ロイ・ハーグローブ 、ハービー・ハンコック 、カート・ローゼンウィンケル 、ニーナ・フリーロン、 パキート・デリベラ、シャイ・マエストロ等

ジャズだけではなく、中東の音楽なども取り入れ、オリエンタルな曲が多い。変拍子の曲が多く非常にテクニカル。 

 

プレイスタイルは、エレキ、ウッドの両刀使い。コントラバスのボディを叩いて表現するなど個性あるプレイヤー。自身のフレージングでソロを展開。曲は変拍子が多く難解。曲と自身のプレイが合わさって非常にかっこいいので変拍子好きは必聴です。

 

譜面は、冒頭部分から。1段目はピアノ譜。ピアノから入っているので、かなりトリッキーに聞こえる。このあたりのアレンジも最高。簡単なフレーズではあるが、テンポが速いため入りとキープが難しい。音源のシャイマエストロのソロ冒頭の緊張感は素晴らしいので要チェック!

 


Ben Williams

 

10才からベースを始め、ミシガン州立大学と、 ジュリアードスクールの学士を取得。セロニアス・モンク・インターナショナル・ジャズ・ベース・コンクールを受賞。Concord Recordsとのレコード契約を結び、デビューアルバム「 State of Art 」をリリース。その後、パット・メセニーのUnity Bandに加入、2013年グラミー賞を受賞。共演者は他にも、マーカス・ストリックランド、ジェラルド・クレイトン、マシュー・スティーブンス 、クリスチャン・サンズ 、ジョン・デイヴィス、ジャマイア・ウィリアムズ等

現代NYジャズシーンを牽引する若手ミュージシャン。 ジャズ、ヒップホップ、ロック、ソウルなどの要素を合わせたバランスの良いプレイヤー。

 

プレイスタイルは、癖がない正統派スタイル。バランス感覚が良い。タイトなフレージング。しっかりと低音を支えるが、どっしりとした重い感じではなく、軽やかでグルービーなプレイが特徴。 

 

 


Bill Crow

 

「さよならバードランド」の著者として有名。ワシントン州出身。高校、大学では金管楽器を演奏する。ニューヨークに移住後、ベースを始める。1950年代後半からジェリー・マリガンのグループに加入。 共演者はズート・シムズ、ボブ・ブルックマイヤー、アル・コーン、クラーク・テリー、ジェイジェイ・ジョンソン、アル・ヘイグ、ミルト・ジャクソン、ジム・ホール、フィル・ウッズなど豪華。日本ではプレイヤーとしての知名度は少ないが、アメリカでは長いキャリアを重ね、様々なミュージシャンに信頼を受けている。

 

比較的オーソドックスなスタイル。グルーブ感にもクセがないことが、多くのミュージシャンに支持されている。

ソロは独自のベーシスト的アプローチ。安定感が抜群。


Brian Bromberg

 

フレーズ難易度:

 

エレべ、ウッドの両刀超絶プレイヤー。最初はドラムだったが14歳でベースを始め、19歳でスタン・ゲッツのバンドに参加。86年からソロ活動を開始。エレキベース、ウッドベース、ピッコロベース(1オクターブ上の音域が出る)を操る。自身のソロアルバムに加え、プロデューサーとしても活動。演奏のジャンルは、ジャズ、ボサノバ、フュージョン(スムースジャズ)、ロックなど幅広い。素人が聞いても凄いと理解できるプレイは必聴。

 

プレイスタイルは、エレキ、ウッドに関わらず同じスタイルで弾き、いずれも超絶テクニック(コード弾き、タッピング、速弾き)を使う。ピッコロベースでは、オーバードライブでギターと同じ音色で演奏(アルバムのキャッチフレーズは「このアルバムは一切ギターは使われておりません」)派手なフレーズや手癖フレーズは多いが、ソロの歌いまわし方やフィルイン、フレーズの完成度など非常に参考になる。

 

譜面は、ソロから転調前のフレーズ。とにかくひたすら早いので、プリング、ハンマリングをうまく使用したフレーズになっている。途中の三連の箇所は手癖フレーズとして使える。Am7-D7の箇所は、ほぼD7一発と考えてよいフレージング。


Buster Williams

 

ニュージャージー州出身。フィラデルフィアでプロデビュー後、ジーン・アモンズ、ソニー・スティットのクインテットやベティ・カーター、ナンシー・ウィルソン、サラ・ヴォーン等のレコーディングに参加。その後、ニューヨークに移住。ハービー・ハンコック、マイルス・デイヴィス、ケニー・バロン、デクスター・ゴードン、ジョー・ファレル、アート・ブレイキー、ハービー・マン、ベニー·ゴルソン、ブランフォード・マルサリス、マッコイ・タイナーなどと共演。黒ナイロン巻きスチール弦を用いたベースを使用。個性的なトーンが特徴。

 

音色は太め。中低域のが厚い。ロンカーターも同じ弦を使っているため、どことなく似ている。ロンカーターよりゴリゴリ感あり。4ビート以外もやるが豪快なわりにタイト。ソロはビバップに根差したフレーズ。スライドを使ったフレージングなども使用。


Cecil McBee

 

某アパレルブランドではありません。オクラホマ州出身。学生時代にクラリネットを学び、17歳でダブルベースに転向。活動の場を広げ、ニューヨークに移ってから、マイルス・デイヴィスやアンドリュー・ヒル、サム・リヴァース、ジャッキー・マクリーン、ウェイン・ショーター、チャールズ・ロイド、ユセフ・ラティーフ、フレディ・ハバード、ウディ・ショウ、ファラオ・サンダース、キース・ジャレット、アリス・コルトレーン、マッコイ・タイナーらと演奏および録音を行う。サイドマンとしての人気も高く、現在でも現役で活動している。

 

即興性もあり堅実なプレイもできる音楽性の高さを持つ。弓も上手い。音色は太くドッシリしている。4ビート時のグルーブ感が心地よい。ソロのアプローチはベース的アプローチが主体。バンドの中での存在感は大きい。


Charlie Haden

 

10代よりベースを始め、ロサンゼルスにて、アート・ペッパー、ハンプトン・ホーズ、デクスター・ゴードン、ポール・ブレイ等と共演。その後、オーネット・コールマン、キース・ジャレットカーラ・ブレイらと共演していき、後のスタイルを作っていく。1998年、パット・メセニーとのアルバムでグラミー賞を受賞。デュオのアルバムを多くレコーディングしている。共演者は、ミック・グッドリック、ヤン・ガルバレク、ジョン・コルトレーン、オーネット・コールマン、エグベルト・ジスモンチ、ハンク・ジョーンズ、ジョン・スコフィールド、ドン・チェリー、ジャック・ディジョネット、ハービー・ハンコック、ビリー・ヒギンス、エド・ブラックウェル、ビル・フリゼール、カーラ・ブレイ、マイケル・ブレッカー、アラン・ブロードベント、ポール・モチアン、ゴンサロ・ルバルカバ、ジョシュア・レッドマン、ジョー・ロヴァーノ、アーニー・ワッツ、リンゴ・スターなど

 

優しくて太い音色。一音一音に説得力のあるフレーズが持ち味。ソロを聞いただけで誰が弾いているか判別できるほどの個性。デュオでは奏者自身のリズム感が問われるが、安定感は抜群。一切余計な音が排除された演奏は芸術。


Charles Mingus

 

フレーズ難易度:

 

デュークエリントン楽団を首になった豪快なベーシストと言えばこの方。アリゾナ州生まれ。チェロから始め、高校時代にベースに転向。プロ後は1943年にルイ・アームストロングやライオネル・ハンプトンのバンドで活動後、チャーリー・パーカーやバド・パウエルと共演し名を広める。ニューヨークへ移住後、チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、バド・パウエル、アート・テイタム、デューク・エリントンらと共演。自身のレーベルを立ち上げ、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーらと共演。1956年に『直立猿人』を発表。自身のバンドやビッグバンドでバンドリーダーとしての活動や、作曲・編曲家としても高い評価を得る。気性が激しい性格であったため、バンドメンバーとの揉め事など様々なエピソードがある。

 

プレイスタイルは、右手はワンフィンガー。弦高はかなり高かったらしい(アタック強め&サスティーン短め)。細かいことは気にせず、とにかく豪快。そのスタイルが逆にかっこいい。作曲、編曲することもあり、楽曲全体を意識したベースプレイと豪快な部分とのバランスが持ち味。

 

譜面は冒頭から。トニックペダルのフレーズだが、F7的な音遣いのリフ。クロマチックアプローチがカッコいい。勢いよく豪快にやることがコツ。


Chris Minh Doky

 

デンマーク出身。幼少期からピアノを始め、その後エレキベースを始める。16歳からコントラバスに転向。ニューヨークに移住後は、デビッド・サンボーン、坂本龍一、矢野顕子、マイク・スターン、ミシェル・カミロ、ビレリ・ラグレーン、マイケル・ブレッカー、ランディ・ブレッカー、ジョン・スコフィールド、ケニー・ギャレットなどと共演。自身のバンドや兄のニールス・ラン・ドーキーとドーキー・ブラザーズ(Doky Brothers)というバンドで活動。デンマークではテレビ映画などの音楽やミュージカルのディレクターとして活動している。アップライトも多く用いることでも知られている。

 

見た目もイケメンだが、プレイも優雅で華麗なスタイル。速いフレーズも難なく弾きこなす超絶プレイヤー。左手は薬指も多用している。低い弦高ながらもベースらしいアコースティックな音色。音楽性の幅を感じる作曲センスなど、非の打ち所がない。


Christian McBride

 

レイ・ブラウンスタイルを受け継ぐ正統派ベーシスト。エレべ、ウッドも両方弾く超絶プレイヤー。

グラミー賞を5度獲得。正統派ジャズも弾けるし、フュージョン、ソウル、R&Bもこなす。自身も作曲し、自身のバンドやビッグバンドでも演奏。これまでの共演者は、スティング、ポール・マッカートニー、セリーヌ・ディオン、フレディー・ハバード、ソニー・ロリンズ、ロイ・ヘインズ、チック・コリア、ハービー・ハンコック、パット・メセニー、レイ・ブラウン、スティーヴ・ガッド、ダイアナ・クラール、ブライアン・ブレイド、ロバート・グラスパーと超強力。

 

プレイスタイルは、図太い音色なのに速く弾ける。ソロも超絶。4ビートでは、レイ・ブラウンスタイルを踏襲し、プッシュ気味に弾く。手癖フレーズは比較的多いが、ソロの歌いまわしと構成力、太い音での高速フレージング、正確なテクニックは秀逸。弓も上手い。音楽性の高さとフレージングのアイデアなどはとても参考になる。

 


Dave Holland

 

フレーズ難易度:

 

イングランド出身のジャズベーシスト。ベースのボディの下が削られているトラベルベースを使うことでも有名。マイルス・デイヴィスのバンドに参加したことがきっかけで有名に。その後も、共演者は豪華で、ジョン・マクラフリン、チック・コリア、スタン・ゲッツ、セロニアス・モンク、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、サム・リヴァー、ジョー・ヘンダーソン、ジョン・アバークロンビー、ジャック・ディジョネット、ケニー・ホイラー、パットメセニー、ブライアン・ブレイド等とも共演。目立つタイプではないが、いぶし銀、かつ的確・堅実なプレイスタイルで共演者は多い。後期では、自身のグループを作り、変拍子の曲を多く演奏する。

 

プレイスタイルは、主にウッドベースを演奏。一見派手な感じはないが、高度なテクニックを持っており、派手な手癖フレーズというよりは、一ひねりあるフレージング、モチーフの展開、コードアプローチ、歌うようなフレーズが秀逸。完全ベースソロも多く演奏しているが、アドリブなのにどれも一人で完結できる高い完成度から、音楽性の高さを感じる。
 

譜面は、完全ベースソロからのフレーズ。ソロ全体を通して、メロディックな部分とリズミックなフレーズの部分、モチーフの展開などがバランスよく展開されている。ここではCマイナーペンタでのモチーフの展開した上で、C7の裏コードGb7のフレーズで外れた感じにするという憎いフレーズ。マイナーブルースでそのまま使えるので重要!!

 


Doug Watkins

 

27歳でこの世を去ったが、膨大な数のレコーディングを行っている天才。ミシガン州出身。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの初代ベーシスト。高校時代、同級生だったポール・チェンバースとは、いとこになる。10代からジャズを演奏し、バリー・ハリスやジェームス・ムーディのツアーに参加。その後、コールマン・ホーキンス、チャーリー・パーカー、スタン・ゲッツと共演。その他共演者も、ペッパーアダムス、ジーン・アモンズ、ケニー・バレル、ドナルドバード、ジョンコルトレーン、トミー・フラナガン、レッドガーランド、ベニー・ゴルソン、ジャッキー・マクリーン、チャールズ・ミンガス、ハンク・モブレー、リー・モーガン、ソニー・ロリンズ、ホレスシルバー、フィル・ウッズと豪華なメンツ。ハードバップ時代の売れっ子ベーシストの一人。

 

音色は異なるが、フレージングはポールチェンバースと同じでビバップを基調とする。歌心のあるソロ。チェンバースより少し重めなグルーブ感。人間味あふれるプレイとグルーブするベースラインはジャズのお手本。