Eddie Gomez
Esperanza Spalding
Gary Peacock
George Mraz
 


Eddie Gomez 

 

フレーズ難易度:

 

ビル・エヴァンス トリオでスコット・ラファロの後任ベーシストと言えばこの人。超絶プレイヤー。11歳でコントラバスを始め、ジュリアード音楽院を卒業。マンハッタン・ジャズ・クインテット, ステップス・アヘッドなどにも参加。共演者も豪華で、マイルス・デイヴィス、 ディジー・ガレスピー、 ジェリー・マリガン、 ベニー・グッドマン、 ビル・エヴァンス、 マイケル・ブレッカー、 ウェイン・ショーター、 ロン・カーター、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス,、アル・フォスターなど

 

プレイスタイルは、早いフレーズも正確かつ難なく弾く。バップフレーズ的な歌いまわしはどちらかと言えば少なく、ソロはスケールライクなラインが多い。超速でハイポジションまで駆け上がるフレーズがとてもかっこいい。音色は太めで実直な感じ。速い4ビートのバッキングは強力。

 

譜面は、バッキングから。G7の時の速い3連符は音色を合わさって、かなり強力。このような 超速フィルインは若いころのフレージングの特徴。動画の音源は、いろいろな意味でかなりヤバいので要チェック。


Esperanza Spalding

 

フレーズ難易度:

 

現代ジャズ・シーンに彗星のごとく現れた天才。幼少期からヴァイオリンやオーボエ等を演奏しており、高校入学と同時にベースに転向。バークリー音楽大学に入学後、20歳で同校の史上最年少講師に抜擢される。高度な作曲センス、演奏スキル、天を舞うような軽やかなヴォーカル、スター性を兼ね備えたその才能は、様々ジャンルのミュージシャンに支持され、ブルーノ・マーズ、プリンス、さらにはオバマ大統領からも絶賛されてる。

若くして、グラミー賞を3度獲得。ベーシストというより、ミュージシャンとして総合的な素晴らしい才能を発揮している。

 

プレイスタイルは、歌いながら弾くスタイル。しかも高次元でのプレイ。楽曲も作りこまれているものが多く、手癖フレーズのようなものは少ない。使う楽器が様々なので音色は異なるが、タイトで正確なフレージングが特徴。ピッチやリズム感もよく素晴らしい。ソロは、ジャズの曲は3連符のフレーズは多い。

 

譜面は、イントロ部。パーカッシブなフレージング。ルート+10度の音を使ってコード感を表現している。小節を食っているので、よりラテンのノリが強調されている。


Gary Peacock 

 

フレーズ難易度:

 

キース・ジャレットトリオのベーシストと言えばこの方。13歳からピアノを始め、兵役に就いている時にベースをマスターする。その後、アート・ペッパー、ハロルド・ランド、ビル・エヴァンス、ポール・ブレイ、ドン・チェリー、アルバート・アイラーらと共演。1970年から2年間の日本に滞在していた。その後、キース・ジャレットのトリオ、富樫雅彦、佐藤允彦、菊地雅章、ポール・モチアン、マーク・コープランドらと共演。「ベースの練習というものをしたことがない」という名言は有名。

 

プレイスタイルは、手癖フレーズがほとんど見られないくらい即興性のあるフレージングが持ち味。本人曰く、音は天から降ってくるとのこと。速いフレーズも多いが、フレーズのニュアンスや強弱を重視する弾き方。音は小さめ。独自の歌うようなフレージングでソロも展開する。

 

譜面は、ソロの14小節目から。Gm7-C7のフレージング。Gエオリアン、Cミクソリディアンを使用。速いフレーズで駆け上がる部分と13thをうまく使ったフレージングになっている。


George Mraz

 

チェコスロヴァキア出身。プラハ音楽院にてクラシックとベースを学ぶ。その後、バークレー音楽院特待生として渡米。25歳でオスカー・ピーターソン・トリオのレギュラーメンバーになる。他にもトミー・フラナガンやローランド・ハナのベーシストとして活躍。

共演者もペッパー・アダムス、スタン・ゲッツ、ミシェル・ペトルチアーニ、ステファン・グラッペリ、チェットベイカー、ジョーヘンダーソン、ジョン・アバクロンビー、ジョン・スコ フィールド、リッチー・バイラーク、ジョー・ロバーノ、ハンク・ジョーンズ、ポール・モチアンなど豪華なメンバー。ニューヨーク・ジャズ・カルテットとサド・ジョーンズ/メル・ルイス・オーケストラのメンバーでもある。

 

クラシックの影響があるのかとても端正な弾き方かつ卓越した技術力。太めで重厚な音色。サスティーンは長め。前すぎず、後ろすぎずちょうどいいタイム感。いい意味でベーシストとしての仕事が確実にできるプレイヤー。弓も素晴らしい。